「公務員獣医って定時に帰れて、仕事も楽でしょ?」

私もそう思っていました。実際に働くまでは
この記事では、7年間公務員獣医師として働いてきた私が、なぜ安定の代名詞ともいえる公務員の職を手放したのか、「辞めた本当の理由」をリアルに綴ります。
「今、公務員獣医を辞めたいけど不安……」そんなあなたの背中をそっと押すことができたら幸いです。
公務員獣医ってどんな仕事?


私は公務員獣医師として、次の2つの職場を経験しました。
- 食肉検査所:4年間(食肉施設の衛生指導、食肉検査)
- 家畜保健所:3年間(農場の疾病予防、サーベイランス調査、病理解剖)
一見、決まった業務しかなく、変化のない楽な仕事に見えるかもしれません。しかし、その実態は現場仕事+事務作業+人手不足のトリプルパンチでした。
公務員獣医を「辞めたい」と感じた瞬間


残業・肉体労働・事務作業の三重苦
家畜保健所では、管内すべての畜産農家を巡回するという業務があります。



私は管内でも飼養数の多い、ある家畜の担当をしていました
準備からデータ整理まで一人で担い、毎晩21時過ぎまで残業の日々。日中は採血や巡回で疲れ果て、夜はコンビニ弁当とお菓子で眠気を紛らわしながらパソコンに向かう毎日でした。



歴代担当者のデータ更新履歴は夜12時前後。絶望しかなかった
貧血と血糖値の数値は常に悪く、「このままじゃ本当に倒れる」と不安と隣り合わせで働いていました。
異動・通勤・長時間労働の限界
家庭の事情で、夫の勤務地に近い職場を希望しましたが、希望とは真逆の地域へ異動。
通勤は往復2時間半。加えて毎日の超過勤務で疲労はピークに達し、ついには仕事中に事故を起こしかけ「命の危険」を感じたのです。



ケガしたのは自分だけで、他人を巻き込まなかったのが救いでした
しかし恐怖心は退職まで消えず、退職を決断する決定打になりました。
「安泰」ではなかった公務員獣医の現実


毎年変わる人間関係と環境
仕事内容、職場、住居——毎年どれかが変わります。配属先には、パワハラ気質の上司、八つ当たり癖のある同僚、セクハラまがいの人も普通に存在。
公務員は大問題を起こさないとクビにできないため、関わってはいけないタイプの人も生き残り続けます。



異動発表は地雷職員の有無で、皆ビクビク
若手や真面目な職員ほど「問題ある人のフォロー役」に回され、メンタルはすり減る一方でした。
深刻な人手不足と機能不全の人事
私が入庁した当時から、地方勤務・業務過多という理由で応募者数は減少していました。結果、定員割れは当たり前。
異動は本人希望など無視されるケースも増え、改善されるどころか悪化していました。



3年残留できるはずの優秀な先輩が、1年で異動なんてザラ
「このままここで働き続けたらどうなるんだろう」——そんな不安を抱えながらの勤務でした。
退職後のリアルな暮らし


退職して最初に感じたのは、開放感でした。
- 平日昼間に散歩をした青空がまぶしかった
- 朝晩に家族と食卓を囲めるようになった
- 4月の異動時期に、環境の変化を恐れなくてよくなった
もちろん、安定収入がないことへの不安もあります。
でも今は、アルバイトとブログ運営、家事を中心に、自分でスケジュールを決められる生活を楽しめています。
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公務員獣医を辞めたいと思っているあなたへ


辞めてもいい人の特徴
公務員獣医をやっていた7年間で、上司や後輩の立場を問わず辞めていった人の特徴は次のとおりです。
- 頼まれると断れない人
- 周囲に合わせて自分を犠牲にしがちな人
- 法律や制度に縛られるのがストレスな人
- 家庭を大切にしたいけど、仕事に圧迫されている人



言い換えると「真面目で能力の高い人」が多かったです
こういった人は、キャパオーバーになる前に「辞める」という選択肢を持っていいと思います。
残ってもいい人の特徴
- 要領よく力を抜ける人
- 上司と業務量の交渉ができる人
- 周囲に流されず、定時で帰れるメンタルの持ち主



いい意味で「空気読まない」人じゃないと、組織に使い潰されます
昔は自己主張の激しい職員をみて、「勝手な人」と一方的に思ってました。けれど公務員獣医にとっては、「自己主張」は心身を守る必須スキルです。
最後に伝えたいこと
地方自治体の体質はとにかく改善が遅い。「もう少し我慢したら…」と耐えるのはスジが悪いです。



状況よくなるのは一体何年後?即答できないなら危険サインです
どうか、体や心を壊す前に「辞める」「仕事を変える」選択肢を持ってください。
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まとめ:公務員獣医辞めて人生が返ってきた


- 公務員獣医は「安定していて楽」と思われがちだが、実態は激務と人間関係に悩まされることが多い
- 異動、通勤、長時間労働、人手不足…辞めるに十分な理由はそこら中にある
- 7年間勤めた私が辞めて実感したのは、「人生の主導権を取り戻せた」こと
公務員獣医を辞めたいと思っているあなたへ——
逃げてもいい。辞めてもいい。
辞めた私だから言えますが、健康と幸せを第一に行動しても、誰も困りませんでした。



現状を変えたいあなたを、私は応援します!